なんだか最近小金井駅周辺が騒がしい。どうやら2015年12月に市長選挙があるようだ。市民の一人とはいえ、市政というものに全く興味のない私は、市長選挙の焦点がさっぱりわからない。ということで、ちょっと調べてみることにした。
まずは、駅前で受け取ったパンフレットによると、白井とおるという元市議の方が市長選に立候補するようだ。「「財政危機」が、あらゆる市民サービスを停滞させている」とのキャッチコピーで、財政問題に起因する医療介護の社会保障費増大と市立小中学校の建て替え問題を焦点に設定しているようだ。所属会派は「小金井をおもしろくする会」で政党所属はなし。しがらみのない政治という売り。
西岡真一郎氏のパンフレットも受け取ったので内容を記載。「迷うな、今こそまっすぐに 西岡真一郎さんに聞く 閉塞感を打ち破れ」がキャッチコピーで、閉塞感を打ち破る、幅広い市民による徹底的な参加との記載があるが、具体的な焦点は一通りパンフレットを読んでも見えてこなかった。
西岡氏の政治的バックボーンは、獨協大学卒業後自民党事務局に入り、元滋賀県知事であり元大蔵大臣の武村正義氏とともに新党さきがけに移ったと。その後1997年に無所属の最年少小金井市議会議員として当選後市議を2期務め、2005年には民主党の都議会議員として当選後2期務め、2013年都議会議員選挙に落選後民主党を離党し、現在に至るとのこと。
人柄や今まで何をやってきたか(市役所土曜日開庁、市役所職員の職務給制への移行など)の記載はあるが、具体的な市政の焦点の記載はなかった。
上記の通り、西岡氏は最初は毒にも薬にもならないような、敵を作らないようなビラを配っていたのに、選挙直前になって市庁舎云々かんぬんみたいなビラを配っていたな。選挙中に方針の変更でもしたのかね?
他はまだパンフレットを受け取っていないので、この期間くらいはいつも拒否しているパンフレットを受け取ることにするか。
ちょっと散策して見つけたポスターを貼っておく。
私が見かけたことのあるポスターはこの3種類。詳しくは知らないけど、まだ選挙前だと個人ポスターは表示ができないのでこういった複数人の顔が載っている形式になっているのではなかろうか。
これで少なくとも市長選候補者と支持者の名前ははっきりした。
まず、五十嵐京子候補は漫画家のかわぐちかいじ氏と前市長の稲葉孝彦氏が支持をしていると。五十嵐氏は現在無所属としているが、経歴や稲葉氏の支持を鑑みるに自民党系の候補といえるだろう。
次に岩渕美智子候補は渡辺大三氏の支持を受けている。経歴を見るに、アカデミックな分野で助教授をしたり、NPO関連の活動をしてきたようだが、政治的なバックボーンはよくわからない。ただ、支持者の渡辺大三氏は元民主党の方なので、そちらの支持層を持っている可能性がある。
次に西岡真一郎候補は能楽師の津村禮次郎(れいじろう)氏の支持を受けている。政治家の誰が支持しているのかがわからないと素人には方向がまったくわからないな。ただ、西岡真一郎候補も、無所属となっているが、元々は民主党の議員なので、そちらの支持層を持っている可能性がある。
駅でパンフレットを受け取った白井とおる氏のポスターはまだ見たことがないな。あの手のポスターって、支持者の家の壁に貼られていることが多いので、候補、またはその支持者が地盤を持っているのは、上記3名なのかなという推測。
さらに後日2名のポスターが追加されていたので追記。
白井とおる候補は国分寺でスローフードのカフェを運営している吉岡淳氏の支持を受けている。 白井とおる氏は2013年に小金井市議会議員になった人で、小沢一郎主催の一新塾出身とのこと。追記として、ごみ問題で市政を混乱に陥れた佐藤和雄元市長から直接の支援を受けている。ポスターの掲示責任者に佐藤和雄の名前があるから気になった人は見てみるとよいかと。そして、現在「小金井市長選挙」の検索1位にある「こがねいコンパス」は佐藤和雄が初代編集長を務めた媒体である。一見新聞のような体裁を装いながら、下記の通り白井とおる氏に対する肩入れが明らかに大きいのはそのせいである。
坂井えつ子候補は生活者ネットワークの代表を務めた上原公子氏の支持を受けている。坂井えつ子氏は2013年の市議会議員選挙に初立候補で落選した方のようで、「憲法9条を守り東アジアから平和な社会をつくろう」と韓国一周100日Walkに参加された方とのこと。なお、この方は市長候補ではなく、市議会議員補欠選挙の候補のようだ。
その他の項目として、気になったネット上の記事はこれ。
稲葉市長は不出馬記者会見で何を語ったのか
どうも稲葉市長は2015年の小金井市長選挙には出馬しない方針のようだ。記事内の稲葉氏へのインタビューを読む限りでは、ごみ問題は日野市が処理場を引き受けて、日野市、国分寺市、小金井市の共同で行うということで一定のめどをつけたとのこと。
あくまで稲葉市長による発言なので、ごみ問題が本当にどこまで進展したのかは、私は知らないのだが、少なくとも一般紙やヤフートップに取り上げられるほどの大きな問題にはなっていない以上、ごみ問題で近隣市と大きく悪化はしていないとまでは言えるのではなかろうか。そして前市長の佐藤和雄が小金井市のゴミを処理していただいている近隣市に対して「無駄遣い」と発言したことで、ゴミ問題を大きくこじらせたことは事実である。
基本的に市政にあまり興味はないのだが、一つだけ明確な考えがあるとすれば、ごみ問題に関する「無駄遣い」発言で、市政を著しく混迷させた朝日新聞記者出身の元市長佐藤和雄を支持していた団体の推薦・支持を受けている市長候補に関しては絶対に支持しないということだ。
その観点で言うと、当時稲葉市長側を支持していたのは自民公明会派であり、佐藤和雄元市長を支持していたのは、市民の党、市民自治こがねい、生活者ネットワークなどのメンバーで構成されたみどり・市民ネットという会派とのこと。
小金井市のゴミ市長こと佐藤和雄さんを当選させたのも市民の党
メンバーは、
青木ひかる(市民の党)…幹事長
野見山修吉(市民の党)
田頭佑子(生活者ネットワーク)
渡辺大三(無所属)
片山かおる(市民自治こがねい)
漢人明子(市民自治こがねい)…副幹事長
とのことで、もし私同様ゴミ問題を焦点にして市長候補を選ぶなら、これらのメンバーの支持を受けている候補を外すという選択肢になるだろう。今回の市長選挙で言うと、渡辺大三からの支持を受けているのは岩渕美智子候補、市議会議員補欠選挙では生活者ネットワーク関係者からの支持を受けているのは坂井えつ子候補になる。
加えて、かなり後になってわかったのだが、白井とおる候補に関しては佐藤和雄の支援を直接受けているようだ。下記で別途記載した記事の通り、佐藤和雄がポスターの掲示責任者になっている。
ポスターからわかる2015年小金井市長選挙の支援者まとめ
他、小金井市政関連の情報を収集する際、どの媒体がどの政治スタンスによる情報発信をしているのかも見極める必要がありそうだ。例えばこがねいコンパスというサイトがあるが、このサイト、少なくとも創刊時の編集長は、先に出た元朝日新聞記者の佐藤和雄のようだ。
独白その3 市議会での与野党とは - 小金井市政を分かりやすく伝えるインターネット新聞・こがねいコンパス
ということは、そちら側の政治スタンスで情報発信をしている可能性があるという点は気をつけておくべきであろう。
他、小金井市政に関する情報が載っているものといえば小金井新聞などもあるだろう。図書館で閲覧が可能。ただ、小金井新聞がどういった政治スタンスで情報を発信しているのか、私は把握していない。
政治に関して情報を発信する場合、どうしても完全中立はありえず、特定の立場から発信をすることになる。市政がどうなろうが生活に大して影響がない私ですら、ごみ問題悪化市長を支持していた団体・個人の支持を受けている候補は断じて支持しないというスタンスを持ってしまっているし。
さらに、検索をしたところ、小金井市民新聞という媒体も存在するようだ。
小金井市民新聞
「「小金井市民新聞」のWebサイトです。東京小金井市の出来事を公平・中立に報道しております。」という記載がうさんくさく見えるな。先にも書いたが、政治を取り扱う媒体で完全中立はあり得ない。産経、読売、朝日、毎日の大手4紙で政治的に中立な媒体がどこにもないことはほとんどの方がご存知のことだろう。
下記の記事によると、この小金井市民新聞というのは渡辺大三市議と関わりの深い新聞のようだ。
小金井市民新聞のこと - 小金井市のゆくえ
ちなみにこの渡辺大三という人、駅前でよく演説していて市議選の結果もトップだったときがあるように記憶しているが、一体どんな人なのかを調べたら、どうも元民主党議員で、1999年の市長選で虚偽の内容を記載したビラをばらまいたことで裁判で敗訴しているとのこと。
謀略の百条調査委報告 裁判 渡辺大三議員敗訴
なるほど。ここまでをまとめると、こがねいコンパスと小金井市民新聞の発信情報に関しては、元市長佐藤和雄や渡辺大三市議、ひいては彼らの関係するみどり・市民ネットの視点から情報発信をしている「可能性」は考慮しておいたほうがよいだろう。あくまで可能性であって、彼らなりに公平を目指しているのかもしれないが。
上記の渡辺大三市議が関係者である小金井市民新聞に記載された各候補の比較記事も受け取ったのでそれを載せておこう。気になる人は拡大してみるとよいかと。
印象的なのは、ごみ問題に関して佐藤和雄の「無駄遣い」発言の大失政を受けて、全員が現在の方向を推進していくと答えているところ。中でも岩渕美智子候補と西岡真一郎候補は、わざわざ他の日野市、国分寺市に感謝を表明するなど過剰とも思えるような反応になっているのが面白い。ここは全員同じ方針なので焦点にはならないということだ。
もう一つ興味深かったのは、岩渕美智子候補が、各論点に関していちいち稲葉前市長は、稲葉前市長はと前市長への強烈な批判をしてから自分の方針を述べていること。なんだ?親の敵か何かなのか?そもそもこの人、斎藤康夫や渡辺大三の神輿に乗っている小金井に縁もゆかりもない落下傘候補だよね。なんでここまで恨めるのかがよくわからない。
斎藤康夫やら渡辺大三に関しては、前回の選挙の時、「一度落ちた市長がまた立候補するの?」みたいなかなり下品なビラを配って稲葉氏を批判していて、それに強烈な不快感を感じたのを覚えている。
私自身別に稲葉氏を支持しているわけでもないというか、そもそも何やっている人か知らないのだが、佐藤和雄をはじめとするアンチ稲葉派がひどすぎて、アンチアンチ稲葉派みたいになってしまっている。
市長選挙でどういう焦点があるのか、私もまだあまりわかっていないので、引き続きこの期間くらいはアンテナを張って、情報がわかりしだいこのページを更新していこうかなと。
なお、追記として選挙の結果、次点に3000票近い差をつけて西岡氏が市長に当選しました。
ズブの素人が考える西岡真一郎氏が2015年小金井市長選挙に当選した理由